2025.08.01
空き家を犯罪から守るために、できること。
2024.04.15
わが家の相続の顛末。 すべて、実話です。
ここに紹介するのは、筆者が実際に体験したことです。母の死にともなう相続、その税金などのことで、右往左往しました。相続は、きっと皆さんにも、いつか訪れること。土地の売買から税金での大失敗まで、皆さんが相続を考えるきっかけになればと、これから3回にわたってご紹介します。良い相続は、準備次第で、実現できるのですから。
第一回:母の遺した借地権。どうすればいい?
第二回:兄弟間の分配。思わぬことに。
第三回:まさか!税金取られるの?
相続。他人事のように思っていたのですが、母の死によって、目の前に大きな問題として突然あわられました。 わずかではありますが、母から相続した借地権があり、これを相続し、売却する必要に迫られたのです。この物件は、所有権ではなく、いわゆる普通借地権。世情に疎く、こうしたことに関する知識もほとんどない状態からのスタートでした。 3人兄弟だったので、その分配などにも、直面することになります。繰り返しですが、ほんのわずかな土地の借地権でさえ、なかなかハードな日々を送ることになったので、土地建物の所有権などを相続する皆さんは、できることから少しずつでも始めたほうが良いと思います。
そもそも、土地の売買など、日常生活の中では、意識したこともありません。借地権ってなんだ?というところから、始めました。その土地は、あるデベロッパーが所有していて、いわゆる地主さんになるのですが、その担当者に連絡して、事情を話し、どう対処すればよいかなどをレクチャーしていただきました。ただ、一方で、地主さん任せにするのも、どうなんだ?と考え、不動産にくわしい弁護士さんを探すことも、並行して行っていました。 伝手があるわけではないので、インターネットの情報や知人の助言などを得ながら、何人かの弁護士さんに会い、最終的にある弁護士さんに依頼することにしました。地主さんのとの交渉や買主探し、兄弟間の分配など、これで一段落したような気分になったものです。
借地権は、土地の所有権ではないので、建物を含めて、自由に売買できるわけではありません。基本は、毎月借地料を支払っている地主さんの承諾が必要になります。幸い、地主さんはデベロッパーで、母の土地を含め、周囲の土地の地主でもありました。 じつは、母が死去する何年も前に、この一帯を新たに開発したいから借地権を売ってほしいという打診を受けたこともあったのです。そのときは、住み続けたいという母の強い意思があり、断った。しかし、デベロッパーは、母の住む土地を除く周辺を買い取り、転売する事業を続けていました。つまり、母の住む場所は、開発構想から取り残されていった わけです。 デベロッパーとしては、今さらという思いもあったのかもしれませんが、買主探しには、協力してくれました。
普通の所有権なら、土地の路線価や評価額が売買価格に反映されるのですが、借地権の場合、借地割合というものがあり、公示価格の60%などになってしまいます。そんな知識を得ながら、買主があらわれるのをひたすら待っている日々が続きました。 そんなある日、母の住んでいた隣地で、マンション建設が始まるという話を耳にしました。その建設会社に買い取ってもらうことはできないか。デベロッパーや弁護士に伝え、交渉を始めていただきました。こんな千載一遇のチャンスは二度とない。母の土地を取得することで、建設会社としても、マンション計画ももう少し大規模にできるメリットがあるのではないか。そんなことが頭をよぎり、無事に話が進んでくれと祈るばかりでした。そして、土地を買い取り、建設会社もマンション計画を変更するということになったと、弁護士さんから連絡があったのです。 年単位の交渉だったので、心底、肩の荷が下りたという実感でした。 しかし、よかったと思うのも、つかの間、兄弟間の分配というテーマが待ち受けていたのです。
そんなテレビドラマのような問題に直面した日々をご紹介します。ふだん仲の悪い兄弟ならドロドロな愛憎劇になるでしょうが、ありふれたふつうの兄弟です。スムーズに話が進むと思っていたのですが……。