2024.12.01

牡蠣を安心して食べたい! だから、ノロウイルス感染対策を!

冬の味覚を安心して楽しむために:ノロウイルス感染予防の基本

ノロウイルスは冬に要注意!その理由とは?

冬になると、毎年のようにノロウイルス感染に関するニュースが報道されます。

「なぜ冬に?」と疑問を持ったことはありませんか? 実はノロウイルスは低温に強く、寒い時期ほど長期間生存できる性質があります。
これからが、一年で最も流行する季節です。ノロウイルスについて正しく知り、予防のための対策を考えましょう。

ノロウイルスはなぜ冬に流行する?

ノロウイルスは、ウイルス性の感染性胃腸炎を引き起こします。一般的には数日で症状が軽快し、後遺症もありませんが、免疫力が低い乳幼児や高齢者では脱水症状が重症化につながることがあり、注意が必要です。

2024年、広島県では1月にノロウイルスによる大規模な集団食中毒が2件発生しました。1つは仕出し屋、もう1つは飲食店が提供した食品が原因で、それぞれ82名と66名が感染し、下痢や嘔吐、発熱に苦しんでいます。

ノロウイルスは気温10℃以下では約1か月生存可能とされ、4℃では約1~2か月生存するうえ、凍結してもほとんど不活化しません。さらに乾燥にも強いため、冬に流行する条件を備えています。特に広島県では、牡蠣による感染に注意が必要です。
ノロウイルスが蓄積された牡蠣を摂取することで感染することがあります。冬は牡蠣が旬を迎え、おいしい季節です。食べる機会が増えることが、患者数増加の一因とも考えられています。では、どうすれば安心して牡蠣を楽しむことができるのでしょうか?

一にも二にも、加熱殺菌、そして手洗い

低温や乾燥に強いノロウイルスは、逆に高温や高湿度に弱い性質を持っています。完全に死滅させるためには高温での加熱が重要です。牡蠣などの二枚貝の場合、85℃~90℃で90秒以上、調理器具などは85℃以上で60秒以上加熱することで死滅するとされています。不十分な加熱ではウイルスが残る可能性があるため、食品は中までしっかり火を通しましょう。適切な加熱処理で安心して牡蠣を楽しみたいものです。

また、食品がノロウイルスに汚染されていなくても、調理者の手指に付着している場合が感染の原因になることがあります。そのため、手洗いも予防において非常に重要なポイントです。

ノロウイルスは非常に小さなウイルスで、皮膚のシワに入り込むと言われています。石けんを使用し、ウイルスをしっかり落とすように丁寧に手を洗うことが推奨されています。外から帰った時、トイレの後、調理の前や食事の前には、必ず石けんで手を洗うことを心がけましょう。特にトイレの後は2度洗うと効果的と言われています。

爪を切って、指輪も外して、しっかり手洗い

厚生労働省では以下のように手洗い方法を紹介しています。具体的でわかりやすい内容ですので、ぜひ参考にしてください。

「手洗いは、手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。常に爪を短く切って、指輪等をはずし、石けんを十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗浄します。すすぎは温水による流水で十分に行い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります」

加熱、手洗い、殺菌消毒を徹底し、ノロウイルスの感染予防に努めましょう。そして、この冬を健やかに楽しく過ごし、旬のおいしい牡蠣を安心して楽しみましょう。

【ご注意】

本記事は、感染症や健康に関する一般的な情報を提供することを目的としています。内容には十分注意して作成していますが、情報が最新でない場合や、すべてのケースに当てはまらない場合があります。具体的な予防法や体調に関するご相談は、医師や専門機関にご確認ください。本記事の内容を参考にされる場合は、自己責任でお願いいたします。

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